5G対応エリアがなかなか拡大しないのはなぜ?

“5G対応のスマートフォンが各社から続々発売されています。キャリア各社は5G商用サービスがスタートして今後さらにその勢いは加速するでしょう。しかし日本ではまだまだ5Gのエリアが狭いという現状があるのです。しかも5Gエリアは1年前からあまり変わっていないとすら言われているのです。ではなぜ日本の5Gエリアは拡大しないのでしょうか?その謎に迫ってみましょう。
まず日本の5Gは海外に比べると非常に遅く、2020年3月25日にようやくNTTドコモがサービスをスタートさせました。しかしサービス開始当初の5Gエリアは非常に限定的であり、日本中の人が5Gを体験できるか?というと全くそのような状態ではなかったんです。ビルなど5Gを利用できるエリアは非常に限定的なもので、それらの場所で通信できるスポットも限られていました。サービス開始当初は限定的だったとしても、これから対象エリアはどんどん増えるだろうとみんなが期待していたにも関わらず、その状況はサービス開始直後だけではなく、1年は続いています。
実はこの現状は日本に限ったことではありません。世界的に見ても5Gの商用サービスを開始以降、エリアを全国規模で拡大できているのは世界で見てもお隣の韓国くらいなのです。ではなぜ5Gエリアの拡大は難しいのでしょうか?その理由の1つが「5G向けの周波数が高く障害物に弱いため、広範囲のエリアカバーには向いていないこと」が挙げられます。
大手キャリア各社に割り当てられる周波数を広範囲でカバーするためには、多数の基地局を設置する必要のため、1GHz以下の周波数帯の電波が利用できた4Gと比べると、5Gの整備には多くの時間が必要になるのです。
また5Gエリアが拡大しにくい理由には「衛星通信との電波干渉」もあります。楽天モバイルなど携帯電話会社4社に割り当てられている3.7GHz帯は、衛星通信や衛星放送などに用いられる固定衛星通信に利用している帯域と重なっています。そのため基地局を設置して電波を射出してしまうと、電波干渉によって衛星通信が利用できなくなってしまうのです。そのため3.7GHz帯での基地局は、電波干渉を引き起こさないようにするために衛星通信の地上局の利用者と調整をしなければなりません。衛星通信の地上局と離れた場所に基地局を設置するなどの慎重な対応が必要になってしまうため、5Gエリアがおもうように広げられないのです。
NTTドコモは4.5GHz帯の割り当てがないのですが、楽天モバイル、au、ソフトバンクなどの携帯電話会社は、3.7GHz帯で広範囲をカバーする必要があるので、電波干渉の問題を強く受けてしまうという現状があります。”

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